アプリ制作の流れは?開発費用の平均や制作方法を解説

昨今は集客や販促に店舗アプリをはじめとするアプリを活用する企業が増えています。そのため、自社アプリ制作を検討している担当者も多いはずです。
アプリを作るときは内製と外注のいずれかを採択します。経験や開発環境が不十分であれば外注の可能性も検討しましょう。またアプリ制作サービスによっては、プログラミングの知識がなくても簡単にアプリを作れるものもあります。各社からさまざまなサービスが提供されているため、料金プランやツールの使い勝手など複数の観点から比較すると良いです。

今回の記事では、アプリ制作の流れと開発方法ごとの平均費用、内製・外注・制作ツールそれぞれのメリットとデメリットを解説。アプリ制作ツールサービスも5つ紹介します。

アプリ制作の流れ

ノートパソコン コード

アプリは以下の流れで制作します。

アプリの企画立案

アプリの企画立案とは、アプリの概要と目的、ターゲットとなるユーザーを決定することです。また、開発予算や期間、スタッフや機器のリソース、アプリ制作の実現性や費用対効果も検討します。

また、ターゲットユーザーが使用している端末についても調べましょう。年代や職業によって、使用する端末はiPhoneかAndroidに分かれます。アプリの開発環境がiOSとAndroidで異なることも含めて、事前にターゲットユーザーが多く利用している端末を調査するとよいでしょう。

アプリの要件定義

アプリの要件定義では、以下の内容を決定します。

● アプリの制作方法
● アプリの画面構成
● 機能
● アプリデータの保存方法

これらの内容は、要件定義書や設計書などとしてまとめます。

アプリの要件定義を書面にしておけば、メンバー間で情報共有がしやすくなり、リリース後のバグの修正やアップデートへの対応時も役立ちます。また、メンバーが異動や退職などで不在になっても、引き継ぎがしやすくなります。

アプリ制作

アプリを制作するとき、端末に合わせた開発環境が必要です。

端末のOS開発環境プログラミング言語
iOSXCode(Macのみ) Xamarin(Windows対応) *コンパイルや配布にはMacが必要Object-C Swift
AndroidAndroid Studio (クロスプラットフォーム)Java Kotlin

アプリの動作テスト

アプリの動作テストでは、次の点を確認する必要があります。

● 画面レイアウト
● 画面タップ時の動作
● 端末のバッテリーへの影響
● ネットワーク回線への影響

アプリの挙動に問題やエラーが見つかった場合は、速やかに修正しましょう。不具合を放置してアプリをリリースすると、企業の信頼を落とすことになります。また、不具合によってユーザーに損害を与えた場合、訴訟に発展するリスクもあります。

ですから、アプリの動作テストは入念におこなうことを推奨します。

ストア申請と公開

アプリ公開のためにストアへ申請します。なお、iPhoneとAndroidでは審査のタイミングと登録料の扱いが異なります。

アプリストア審査のタイミング登録料
iPhone数日~1週間99ドル(1年ごとに支払う)
Android1週間~数週間25ドル(支払いは1回のみ)

各OSのストア申請については公式ページを確認しましょう。

iOSのアプリストア申請の詳細は「App Review」です。

Androidアプリストア申請の詳細は「審査のためにアプリを準備する」です。

関連ページ:店舗アプリ作成の流れは?作成のポイントを徹底解説!

アプリを内製するメリットとデメリット

ノートパソコン

アプリを内製するメリットとデメリットをまとめました。

メリットデメリット
制作費用を抑えられるスタッフのスキルにクオリティーが左右される
アプリ制作のノウハウを蓄積できる他の業務とのバランスが取りにくくなるリスク
独自性の高いアプリを制作できるスケジュールやコスト管理に支障が出る恐れ

アプリをきちんと自社制作できれば、外注に比べコストダウンが可能です。スケジュールや仕様の変更にも柔軟に対応しやすくなります。また、アプリ制作のノウハウを蓄積できるため、将来的にみればメリットといえます。特に、新規事業としてアプリ開発を視野に入れている場合は前向きに検討すべきです。

さらに、自社のシステムや理念に沿った、独自性の高いアプリを制作できる点も見逃せません。アプリアイコンやデザインなどでブランディングを計ることもできます。

ただし、アプリのクオリティーがスタッフのスキルや人員に左右されるので注意が必要です。また、他の業務とのバランスが取りにくい状況になるのも懸念材料です。特にアプリ制作の経験が少ない場合は、スケジュールやコスト管理に支障が出る恐れがあります。無駄な工程が増える場合、かえってコストがかさむ可能性もあります。

アプリ制作を外注するメリットとデメリット

アプリ制作を外注するメリットとデメリットをまとめました。

メリットデメリット
専門知識を持つプロによる制作制作費用が高額になりやすい
スケジュール管理が容易リリース後の対応は会社によって差がある

専門知識を持つプロにアプリ制作を任せられるのは、外注の最たるメリットです。また、スケジュール管理がしやすい点も挙げられます。実力のある会社に任せれば、ハイクオリティなアプリを決まった期間で開発可能です。

気をつけたいのは、専門性の高い会社へ依頼すると制作費用が高額になりやすい点です。そうした会社には豊富な経験と知識を持つスタッフが在籍しているため、必然的に単価も高くなります。

さらにいえば、アプリをリリースしたあとの対応は会社によって違います。不具合の修正やエラーの対応など、どこまで請け負っているのかを事前に確認しておくべきです。 発注先の選定にも注意が必要です。実力が足りない会社、希望の内容に合わない会社に依頼すると、トラブルにつながる可能性があります。

アプリ制作ツールを利用するメリットとデメリット

アプリ制作ツールを利用するメリットとデメリットをまとめました。

メリットデメリット
手頃な価格でプロ制作ツールを活用可能カスタマイズ可能な範囲が狭い傾向
開発期間が短く済むサービスによって対応できない機能がある

既に半完成品であるツールを手頃な価格で利用できるうえ、一部をカスタマイズするだけでリリースできるため、完全に0から開発するより短期間でリリースできます。

ただしカスタマイズ可能な範囲が基本限られていることには注意が必要です。対応機能はサービスにより異なるため、「必要な機能に対応しているか」は契約前に確認する必要があります。

アプリ開発にかかる平均費用

アプリ開発にかかる平均費用は、開発方法によって異なります。開発方法と費用相場を以下にまとめました。

開発方法費用相場
スクラッチ開発数百万円~1千万円以上
クラウド開発数十万円~数百万円
パッケージ型開発(アプリ制作ツール)初期費用+月額数万円~

いずれの方法においても、複数の会社から見積もりを取って比較検討することが重要です。また、開発後も保守や運用のコストがかかることを念頭に置きましょう。

スクラッチ開発とは、システムをゼロから作る方法です。開発費用の相場は数百万円から1千万円以上と幅広く、独自性の高いシステムを制作できます。ただし開発期間が長くなりやすく、最低でも1年以上は必要です。

クラウド開発では、すでに提供されている機能を組み合わせてアプリを開発します。費用相場は数十万円~数百万円で、内訳は要件のとりまとめやアプリデザイン、データベース連携などです。また、アプリのダウンロード数やプッシュ通知の送信件数によっても料金が異なることがあります。

パッケージ型開発では、半完成品のアプリ制作ツールを自社の仕様へとカスタマイズし利用します。完全に0から作る場合と比べて自由度は下がるものの、一般的な機能はカバーされているツールが多数存在し、料金は比較的手軽です。実装可能な機能はサービスによって異なるため、確認をおすすめします。

関連ページ:実際にアプリを作る費用は?開発依頼や費用について

アプリ制作ツールの選定ポイント

人とクラウドのイメージ

アプリ制作ツールの選定ポイントを、以下に5つ挙げました。

各会社の特徴を把握する

制作ツールは、提供している会社によって特徴があります。その会社が強みにしているポイントと自社アプリの目的が一致しているところへ依頼すれば、納得のいくアプリができるはずです。まずは自社がアプリに求めることや達成したい目標を明確に設定しましょう。

必要な機能を絞り込む

アプリに搭載する機能を絞り込みましょう。必要な機能やデザインがわかっていれば、コストを抑えながら開発できます。やみくもに機能を搭載すると画面が見にくくなるほか、コストパフォーマンスも悪くなります。

制作ツールの使い勝手を吟味する

アプリ制作ツールの使い勝手は、担当者のモチベーションを左右します。ですから、プログラミングの経験が浅いスタッフでも操作できるものが望ましいです。制作ツールのなかには、無料のトライアル期間を設けているものもあります。

料金プランを確認する

制作ツールの料金プランを確認します。プランはアプリ単位とユーザー単位のものがあり、アプリ単位はダウンロード数に応じて料金が変動します。ユーザー単位では複数の担当者が管理するケースは高額になりやすいため注意しましょう。また、月額使用料以外にも導入費や最低契約期間が設定されている場合があります。

サポート内容を確かめる

アプリ制作および運用にあたって充実したサポートがあると、トラブルやエラーにも対応できます。確認すべき点はサポートの内容と連絡手段、受付時間帯です。また、アプリをリリースしてからもOSアップデートや不具合修正などに対応しているかを確認しましょう。

関連ページ:クーポンで効果的に集客。リピートしたくなる内容やタイミングは?

アプリ制作ツール5選

アプリ制作ツールを5つ紹介します。費用やサポートなどを比較して、自社に適したものを選びましょう。

アプリメンバーズ

アプリメンバーズトップ

アプリメンバーズは、飲食店や小売店などに向けた店舗アプリを作成できるサービスです。予約機能やポイント管理、クーポンなどの機能がオプション料金なしで利用できます。また、パソコンに詳しくなくても、マニュアルや電話対応などでサポートが得られます。最低契約期間がなく1か月更新のため、導入へのハードルが低いのも特徴です。

GMOおみせアプリ

GMOおみせアプリのホームページ

GMOおみせアプリは、ロイヤルカスタマーを醸成して店舗や企業の集客を強化できるアプリです。ネットショップやミニゲーム、キャッシュレス決済など多彩な機能を備えています。料金プランの詳細は専用フォームから資料請求が可能です。

Yappli(ヤプリ)

ヤプリのホームページ

Yappli(ヤプリ)は、プログラミング不要で簡単にアプリを作成できるサービスです。アプリの管理や運用が直感的におこなえ、お客さまの情報や行動データに合わせたプッシュ通知を発信できます。Googleアナリティクスを始めとした外部ツールとの連携で、より詳細に分析できるのも強みです。

みせプリ

みせプリのホームページ

みせプリは、プログラミングやパソコンに不慣れな人も安心して利用できるサービスです。TOPページにある料金シミュレーターで月々の費用を概算でき、集客や販促に必要な機能がそろっています。YouTubeと連携すれば、アプリ内で動画再生も可能です。オプションでアプリ案内POPを作成できます。

みせめぐ

みせめぐ トップ

みせめぐは、導入費や基本機能、ランニングコストが不要なサービスです。無料で利用できる理由は、POSレジメーカーが自社製品の販促のために提供しているからです。集客や販促にアプリを活用したいときに手軽に導入でき、POSレジと連携すれば顧客分析もできます。モバイルオーダーにも対応していますが、この機能は従量課金制ですので注意しましょう。

関連ページ:【厳選】店舗アプリ作成サービスで知っておきたい8選まとめ

まとめ

スマートフォンを操作する人

アプリ制作にあたって重要なのは、まず目的とターゲットをはっきりさせることです。そして、必要な機能を絞り込み、最適なデザインを決めていきます。

アプリ開発の平均費用は開発の仕方によって異なります。コストを抑えたいときはクラウド開発が良いでしょう。ゼロから独自のシステムを構築するときはスクラッチ開発にて制作しますが、開発期間が年単位であるためコストも高額です。

コスト面でいえば、アプリを自社制作するか外注するかによっても異なります。アプリ制作の技術や資金が不十分なときは外注がおすすめです。自社制作が適しているのは、開発環境が整っているか事業分野の新たな展開を見込んでいるかの2つです。

また、アプリ制作ツールは複数のサービスを比較したうえで検討すべきです。料金プランやサポート体制、ツール(管理画面含む)の使いやすさなど複数の観点から選択しましょう。

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