【店舗運営者向け】アプリは自社で開発すべき?基礎知識を解説

店舗アプリは店舗運営において必要なサービスを提供できるアプリです。企業ごとに必要な機能が異なることから自社開発を検討するケースも少なくありません。

この記事では店舗アプリを開発する上で知っておきたい、アプリ自社開発のメリットとデメリットのほか、基礎知識について解説しています。開発費用の相場や算出方法についてもふれているので、おおよその予算を見積もるときの参考にしてください。

アプリを自社開発するメリット

アプリを自社開発するメリット

アプリを自社開発するメリットは主に3つあります。

・開発の自由度が高い
・ノウハウを獲得できる
・外注コストの削減

開発の自由度が高い

自社で1からアプリを開発すると、独自機能やシステムを導入したり、デザインも自社で自由に設計できたりします。自由度の高いアプリを作成できるのは、自社開発ならではの強みです。

そのため、他社がリリースしているアプリとの差別化を図りやすく、新しいビジネスモデルを提供することも可能です。

ノウハウを獲得できる

アプリ開発に関する知識や技術を獲得し、自社に蓄積できます。なかでも新規事業としてアプリ開発を想定しているなら、売り上げ向上や事業成長の加速が見込めます。

アプリ開発に関するノウハウを持つ人材が増えれば対応できる範囲が広がり、またアプリの機能追加やトラブルへの柔軟な対応ができるようになることもポイントです。

外注コストの削減

アプリ開発の外部会社への委託は、外注コストが必要です。自社開発と外注を比較すると、外注費用の方が高くなるため、自社で開発できればコストダウンにつながります。

アプリを自社開発するデメリット

アプリを自社開発するデメリット

アプリを自社開発するデメリットは主に3つです。

・自社コストがかかる
・開発に時間がかかる
・社員教育が必要になる

自社コストがかかる

アプリの自社開発によって、発生するコストがかさむことが考えられます。主なコストとして挙げられるのは、エンジニアやプログラマーの工数、人件費などです。

無理に開発を推し進めたことで結果的に本業に手が回らなくなった、ということを避けるためにも、事前にアプリ開発にかかるコストと本業とのバランスを考えてください。

開発に時間がかかる

アプリ開発を自社でおこなうときは、スケジュール管理が重要です。

特に、プログラマーやエンジニアなどのスタッフが本業を手がけながら開発をおこなうと、アプリ開発期間の延長が予想されます。また、社員がアプリ開発を勉強する時間が必要な場合も同様です。

社員教育が必要になる

アプリ開発の経験に乏しい社員がいるときは、社内教育に力を入れてください。新たにIT人材を採用したり、スキルアップのための研修会を開いたりすれば、アプリのクオリティーを高めるのに役立ちます。

効果的な社員教育としておすすめできるのは、独学用の教材の提供、プログラミングスクールの受講です。

アプリ開発の基礎知識

アプリ開発の基礎知識

アプリ開発の前に、基本的な知識を覚えておいてください。

・アプリの種類と特徴
・アプリの開発環境
・アプリの開発ツール

アプリの種類と特徴

アプリには4種類あり、それぞれに特徴があります。

1.WEBアプリ
2.ネイティブアプリ
3.ハイブリッドアプリ
4.PWA

アプリを開発する際には、自社がかけられるコストやスタイルに合ったアプリ形式を選んでください。

WEBアプリ

WEBアプリとは、WEBブラウザ上で動作するアプリを指します。動作するアプリは業務管理からゲームまで幅広いのが特徴です。また、アプリストアへの登録申請が不要なため、手数料と手間をカットでき、自社のタイミングでリリースできます。

動作スピードを求めない、単純な作業をおこなうときはWEBアプリが適しています。

ただし、WEBアプリを使用するときはインターネットに接続していなければなりません。オフライン環境や、通信環境が不安定な場所での使用には不向きです。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリとは、アプリストアを経由してスマートフォンやパソコン、タブレットにインストールして使うアプリです。

特定のプラットフォームに対応して開発するため、GPSやカメラ、指紋認証など端末の特長を生かしたアプリを作成できます。

ユーザーの継続利用を促進できる点から、ヘルスケアやコミュニケーション、店舗系アプリの開発に適しており、アプリ内課金によって利益の向上につなげられます。

ただし、アプリストアの定めるガイドラインやルールを守ることが求められるため、注意してください。また、リリースにあたってはアプリストアの審査を通過しなければなりません。

ハイブリッドアプリ

ハイブリッドアプリは、WEBアプリとネイティブアプリの持つ特徴を兼ね備えたアプリ形式です。

例えば、iPhoneとAndroidではアプリ開発に使用するプログラミング言語や環境が異なるため、それぞれに対応したアプリを作成しなければなりません。

ハイブリッドアプリの場合はWeb viewという機能を使って開発するため、各種OSに対応したマルチプラットフォームアプリを作成できます。

また、GPSやカメラといった端末の機能を使用でき、アプリ内でWEBサイトを表示することも可能です。

PWA

PWAとは、Progressive Web Application(プログレッシブ ウェブ アプリケーション)の略です。インストールはWEBサイトを端末のホーム画面に追加しておこない、機能はネイティブアプリに近いものを実装できます。

PWAの開発にはプログラミングの知識が必要ですが、アプリストアを介さずにリリースできます。そのため、ストアのガイドラインやルールにとらわれずに開発できる点は大きなメリットです。

また、URLでアプリを起動することからSNSやメッセージツールでの共有がしやすく、サービスの認知と利用者の増加が期待できます。

アプリ開発の環境

アプリ開発には、以下の環境が必要です。

・パソコン
・開発ツール
・テスト用端末

アプリ開発にはパソコンが必須です。また、作業工数の削減や省略のために開発ツールも導入してください。iOSアプリなら「xcode」、Androidアプリなら「Android Studio」が代表的です。

iOSとAndroidの両方に対応したアプリ開発には、クロスプラットフォームの開発ツールが使えますが、ネイティブアプリには不向きなケースもあるので注意してください。

アプリ開発はスマートフォンのみを使用しても可能ですが、本格的なアプリ開発には不向きです。

また、開発したアプリの動作確認のために、テスト用の端末を1台用意しておいてください。アプリを利用するOSに対応した端末で、バグや不具合を洗い出します。

アプリを開発するツール

アプリの開発ツールは大きく分けて3つです。

・プログラミング言語
・ノーコードツール
・ゲームエンジン

プログラミング言語

プログラミング言語は専門的な知識や技術が求められますが、自由度の高いアプリを開発できます。使用するプログラミング言語は開発するアプリの形式によって異なります。

iOS/macOSSwift
Objective-C
AndroidJava
C++
Kotlin
WEBアプリHTML5
CSS
JavaScript
PHP
Ruby
WindowsアプリJava
Python
C
C#

ノーコードツール

ノーコードツールとは、プログラミングの知識がなくても簡単にアプリを作成できるツールです。クリックやドラッグ&ドロップで必要な機能を追加したり、デザインしたりできるため、初心者でも取り組めます。

ただし、柔軟性や拡張性といった面ではプログラミング言語での開発に劣ります。業務内容に合わせた機能やカスタマイズ性、独自機能などが必要なアプリの開発に、ノーコードツールは不向きです。

ゲームエンジン

ゲームエンジンは、ゲームアプリの開発に向いています。ゲームエンジンには衝突判定や物理演算、ゲーム開発に必要な処理やキャラクターの振る舞いなどが用意されているため、開発にかかる手間を減らせます。

プログラミング言語を自分で記述せずに開発をおこなうことも可能ですが、本格的なアプリ開発の際には知識と技術が必要です。

関連ページ:店舗アプリ作成の流れは?作成のポイントを徹底解説!

アプリ開発に必要な費用

アプリ開発に必要な費用

アプリ開発に必要な費用は大きく2つに分けられます。

・アプリ開発費
・保守と運用費

アプリ開発の費用相場については後述しますが、アプリをリリースしたあとは保守と運用のための費用がかかります。例えば新しく機能を追加したり、バグを修正したりといったアップデートのほか、サーバー保守やOSアップデートへの対応も必要です。

アプリを開発するときは、開発費だけではなく保守と運用費用についても考えてください。
保守、運用にかかる費用は開発費用の15%程度を想定します。仮にアプリ開発に400万円かかった場合、保守と運用費用は年間60万円です。

アプリの開発費用相場

アプリの開発費用相場

アプリ開発の費用相場は、開発するアプリの内容によって異なります。店舗アプリの場合、ポイント制度や電子クーポンといった実装機能によっても費用が変わってきます。

以下、各種アプリの費用相場を表にしたものです。

コミュニケーション系アプリ100万円~
ゲーム系アプリ300万円~
メディア系アプリ250万円~
店舗系アプリ600万円~
金融系アプリ1,000万円~
EC系アプリ(データベース連携)1,500万円~

これらはあくまで目安で、実際の費用とは異なることもあるため注意してください。

アプリ開発費用の算出方法

アプリ開発費用の算出方法

アプリ開発の費用を算出するときは、次の方法で計算します。

作業人数(人件費)× 期間 = 開発費用

開発費用の大部分はエンジニアの人件費が占めていて、開発期間はアプリの種類によって大きく左右されます。実際に計算するときは、スタッフの人数分の人件費で計算してください。

アプリ開発にあたって、システムエンジニアはプログラミングをおこないません。ですが、開発管理のため全工程にかかわることになります。システムエンジニアの人件費が高くなるのはこのためです。

システムエンジニアの人件費は、エンジニアの技術力によって左右されます。以下、エンジニアの技術力ごとの費用相場です。

システムエンジニア1人あたりの人件費(1か月)
初級60~100万円
中級80~120万円
上級100~160万円

自社開発のコストを抑える方法

自社開発のコストを抑える方法

自社でアプリを開発するときのコストを抑える方法を3つ挙げます。

・設計や機能を見直す
・WEBアプリを作成する
・ノーコードツールを活用する

設計や機能を見直す

開発前に、アプリに求める機能やデザインなどの要件を明確に定義してください。アプリの開発中または開発後に新しく機能を追加したり、設計しなおしたりといった状況が発生すると、それだけ開発期間が延びてコストがかさみます。

アプリを使用する目的や必要なページ数、サイトマップなど細部に至るまでしっかりと定めて、コスト削減につなげてください。

WEBアプリを作成する

WEBアプリは、iOSやAndroidといったネイティブアプリよりも比較的安価で作成できます。アプリの種類や目的によっては、WEBアプリの作成を視野に入れてください。

ノーコードツールを活用する

複雑な機能や操作を求めないアプリなら、ノーコードツールでの開発がおすすめです。ノーコードツールはテンプレートから必要な機能だけを選んでアプリを開発できるため、開発費用を抑えられます。

まとめ

店舗アプリをはじめとするアプリは、自社開発することで独自性の高いものを作成できるほか、新しいビジネスモデルの提供も可能です。また、ノウハウの蓄積と外注費用の削減によって事業成長も見込めます。

ただし開発と運用費用、またスケジュールや社員教育などが求められるため、事前に費用対効果を検討してください。アプリ開発には開発費用と保守、運用費が必要です。開発費用は、作業人数ぶんの人件費と開発期間を乗算すると目安を算出できます。実際に開発に取り組むときは、事前に設計や機能などの要件定義を明確にし、最適なアプリ形式や開発ツールを選択できるよう検討を重ねてください。

なおアプリを0から自社開発する場合、総じて費用が高額になる傾向にあります。もし開発費用を押さえたいなら、自社開発以外の選択肢も考えることをおすすめします。

アプリメンバーズでは、お店とお客様をつなげるオリジナルデザインの店舗アプリを格安で提供可能です。詳細はぜひお問い合わせください。

関連ページ:店舗アプリならアプリメンバーズ

カテゴリー:お役立ちコラム

お問合せ&資料請求