せっかくスマートフォン・アプリを作ったのにダウンロード数が少ない、伸びないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
スマートフォン・アプリはマーケティング対策に役立つツールですが、ダウンロード数が少ないと対策には活かせません。
ダウンロード数は、自社アプリを検索結果で上位に表示させることで伸びますが、そのためには「ASO(アプリストア最適化)」という施策を行う必要があります。
ここでは、ASOはどのように取り組めばいいのか、またASOにプラスするとよりダウンロード数アップが期待できる対策を紹介します。
ASO(アプリストア最適化)とは
ASOとは「App Store Optimization」の略語であり、日本語でいうと「アプリストア最適化」になります。
「最適化」といえば、特定のキーワードで上位表示を狙うSEOをイメージするかもしれませんが、ASOは単に上位表示を狙うだけの施策ではありません。
ASOは上位表示による自然流入の増加を狙うSEOと、アプリの詳細ページを最適化することでダウンロード率をアップさせるCROが組み合わさった施策です。
こう聞くと難しく考えてしまうかもしれませんが、まとめると「自社アプリを上位表示させてダウンロード率をアップさせる」というのがASO(アプリ最適化)と覚えましょう。
ASO対策の重要性について
ASO対策では、キーワード設定や分かりやすい説明文などをしなければなりません。
プロであれば特に難しいことではありませんが、未経験の場合はどのようなキーワードがいいのか、短く説明するにはどうすればいいのか分からないことも多いでしょう。
分からないことが多いとASO対策を面倒に感じるかもしれませんが、ASOは重要なアプリマーケティングです。
では、どのように重要なのかを見ていきましょう。
ユーザーのダウンロード率を高めるため
ASO対策をすると、ユーザーのダウンロード率を高められる可能性があります。
実は、ユーザーの約65%は「検索」によってアプリをダウンロードします。
つまり、「このアプリをダウンロードしよう」と検索をするより、特定のキーワードで検索をして、そこで表示されたアプリをダウンロードするユーザーがもっとも多いのです。
そのため、どんなに機能性が高いアプリでもユーザーに役立つアプリでも、検索した際に表示されないとダウンロードにつながりません。
ASO対策で上位表示できれば、ユーザーの目に止まりダウンロードされやすくなることから、ASOはとても重要といわれるのです。
自社アプリが埋もれないようにするため
自社アプリが埋もれにくくなる、というのもASOが重要な理由です。
いまや、自社アプリを公開している企業の数は膨大になっており、今後もアプリ市場は激化することが考えられます。
そのため、ただ公開しているだけのアプリはASO対策を行っているアプリに負けてしまい、競合アプリの中に埋もれてしまいます。
コストをかけて自社アプリを作り、ストア審査に合格したとしても、ユーザーに認識されなければ意味がありません。
ASO対策は、自社アプリが埋もれるのを防ぐ役割も持っているので必要不可欠な施策と言えるのです。
アプリストアはダウンロードのきっかけになるため
アプリストアはダウンロードをするためのツールの1つですが、ジャンル別で見る「ダウンロードのきっかけ」の1位となっています。
ASOは、アプリストアで上位表示させることを1つの目的としている施策なので、いかに重要かが分かるのではないでしょうか。
テレビやSNSなどを使った広告も効果はゼロではありません。
しかし、これらの広告では高額なコストがかかるため、理想的な費用対効果を得るのは難しいのが実情です。
ASOは、工夫をすればローコストで高い効果が期待出来るので、宣伝広告費をかけるよりもASO対策に尽力する方がダウンロード数アップへの近道といえます。
レコメンド表示によるダウンロード数を増やすため
ASO対策をすると、レコメンド表示によるダウンロード数増加も期待できます。
レコメンド表示というのは、特定のアプリを検索したときに「おすすめのアプリ」や「類似アプリ」として紹介されるアプリ表示です。
たとえば、ファッション通販のアプリの詳細を見るユーザーは、評価やレビューをチェックするためにスクロールすることが多いです。
すると、下方に「このアプリに関連」や「類似のアプリ」が出てくるので、そこからさらにダウンロードする方も少なくありません。
ASO対策でダウンロード数が多いアプリに類似したキーワードを盛り込むと、自社アプリがレコメンド表示されやすくなります。(※)
そこからダウンロードにつながることも多いので、ASO対策によるレコメンド表示もとても重要なのです。
※アプリとまったく関係のないキーワードを設定した場合はリジェクトされます。
必ずやっておくべきASO対策
ASO対策を行う場合、必ずやっておくべき6つのポイントがあります。
6つもあると大変だと思うかもしれませんが、1つずつポイントをおさえていけば比較的簡単にASO対策ができるので、ぜひ実践してみてください。
アプリのキーワードを設定する
OSによる違いはありますが、AppStore(iPhone)の場合は公開しているアプリのキーワードを登録できます。
100文字以内という制限はありますが、キーワードによって検索にヒットするパーセンテージが変わるので必ず設定してください。
設定する際には、AppStoreでどういったキーワードが検索されているかを調べましょう。
アプリとまったく関係のないキーワードを使うとリジェクトされてしまいますが、少しでも関連性があれば検索ボリュームが大きいキーワードを設定することで検索順位を上げることができます。
ただし、難しい英語表記や漢字を登録してしまうと、間違った入力によって検索にひっかからないことがあるので、ひらがなやカタカナで登録しましょう。
Google Play Storeではキーワード登録の設定はありませんが、ストアの説明文が検索にヒットします。
説明文は4,000文字まで登録できるので、単に説明するだけでなく、検索ボリュームの大きいワードを盛り込みましょう。
サジェストワードも設定する
サジェストというのは、キーワードと同時に検索される可能性があるキーワードを自動的に表示する機能です。
サジェストワードは、ここで表示されるキーワードのことで、これを設定しておくことでより検索にヒットしやすくなるのです。
この場合も、どういったワードが検索されているかをチェックし、自社アプリにあったキーワードを設定することが効果的なASO対策になります。
アプリタイトルにキーワードを入れる
OSに関係なく、アプリにはタイトルをつけることができます。
アプリタイトルも検索にヒットする要素となるので、どういったアプリなのか分かりやすく、簡潔にまとめたタイトルをつけましょう。
アプリタイトルは30文字が上限となっているため、余計な文字は省き、ヒットしやすいキーワードを盛り込んで作るのがおすすめです。
ただし、アプリタイトルでも関連性のないワードやキーワードの羅列はリジェクトされてしまうので注意しましょう。
キーワードを並べたい場合は、「○○(店舗名・企業名)は○○(エリア)の○○(業種・ジャンル)」というように登録してください。
短くて分かりやすい説明文をつける
アプリのロゴや名前だけでは、どういった業種・サービス内容か分かりづらい場合は説明文をつけましょう。
ここで気をつけたいのは、説明文の長さです。
説明文自体は長文を記載できますが、ファーストビューで表示されるのは3行程度で、後は「さらに表示」をタップしないと見られません。
ほとんどの場合、ユーザーはファーストビューの説明しか見ないので、短くて分かりやすい説明文になるようにしてください。
アプリのイメージに合ったスクリーンショットを配置する
アプリのイメージに合ったスクリーンショットを配置する、というのも重要なASO対策です。
スクリーンショットは、視覚からユーザーにアプローチできるので、アプリのイメージや内容が分かるような画像をセレクトしましょう。
ただアプリの画面を登録するというだけでは興味を持ってもらえないので、人気の高いコンテンツページやアプリの特徴が分かるページのスクリーンショットを登録してください。
また、スクリーンショットの説明文もつけられるので、便利さやお得感などを盛り込んで、魅力を感じてもらいましょう。
分かりやすいアイコンにする
直接ダウンロード数に関係するわけではありませんが、アイコンが分かりやすいというのも大事なASO対策です。
カラーがごちゃごちゃしていたり、一目で分かりづらかったりするアイコンは、アプリの内容が伝わりづらく興味を引きません。
シンプルで分かりやすいと、何回か目にすることで興味を持ってもらいやすくなります。
見やすいアイコンは、ダウンロードしてもらった後も使いやすいので、ユーザーの離脱防止にもつながります。
ASOにプラスする効果的なダウンロード促進対策
ASO対策をしておけば、今までよりはダウンロードをしてもらいやすくなります。
しかし、ただ待っているだけでは即効性は期待できません。
ダウンロードは積極的なアプローチも必要なので、ASOにプラスすると効果的な促進対策を併せて実践していきましょう。
実店舗でアプリのダウンロードを勧める
実店舗がある業種の場合は、スタッフからお客様にアプローチしてもらうのがもっとも効果的です。
店舗であれば、お会計や商品説明などの接客のタイミングでダウンロードを勧めることができます。
アプリの機能に購入特典や割引サービスがついていれば、ダウンロードの動機付けにもなるのでスタッフも勧めやすくなるでしょう。
声がけが難しい場合は、QRコードを記載したカタログを渡したり、店内のPOPやポスターでアプリを訴求したりするなど工夫してみるのもおすすめです。
関連ページ:お店アプリで集客につなげる方法は?業種ごとに解説
名刺やパンフレットにQRコードを記載する
どんな業種であっても、必ず紙ベースのメディアを持っていると思います。
紙メディアはカタログやパンフレットがメジャーですが、名刺やフライヤー、名刺サイズの店舗案内などにもQRコードを記載しましょう。
商品によっては、ラベル部分にQRコードを載せるというのも効果的です。
商品の満足度が高ければ、そのタイミングで「アプリを入れておこう」という気持ちになることも多いので、ちょっとしたアプローチを見逃さないようにしてください。
メルマガ会員へアプローチする
メールマガジンを発行しているのであれば、会員に自社アプリを紹介しましょう。
メルマガ会員はすでに自社の商品に興味、好感を持ってくれている人が多いので、アプローチをすればダウンロードしてくれる可能性があります。
告知の際に、「メールマガジンからのダウンロードは10ポイント付与」など特典をつけると、よりダウンロード率もアップします。
SNSで告知する
インスタグラムやFacebook、ツイッターなどのSNSを運用している場合は、これらのツールから告知するのもおすすめです。
SNSの利用は若い世代が中心ですが、ユーザーの年齢層は幅広く、世界中で活用されているので高い宣伝効果が期待できます。
公式アカウントからの告知は信頼性も高く、コメントからはユーザーの意見も収集できるので、アプリのブラッシュアップにも役立ちます。
Webサイトで告知する
ホームページや商品ページなど自社のWebサイトがあれば、このツールを利用して告知しましょう。
自社のWebサイトであれば文字数の制限がないので、アプリのダウンロード方法や操作説明、アプリの内容などを細かく丁寧に伝えられます。
Webサイトにアクセスしたユーザーは自社製品のファンになってくれている可能性が高いので、アプリの告知をしておくことがダウンロード率アップにつながります。
関連ページ:Web集客にはどんな方法がある?来店につなげるコツは?
アプリの口コミ投稿を促進する
アプリをダウンロードする前に、口コミをチェックするという人は少なくありません。
ダウンロード数が少なくても、口コミでの評価が高かったり、ダウンロード数に比例する口コミ投稿がされたりしていると、アプリに対するユーザーの信頼度がアップします。
口コミがほとんどないアプリだと、ダウンロードしても使わないと思う人もいますし、そもそもダウンロードする気をなくしてしまうかもしれません。
地味な対策ですが、口コミ評価が高いとそれだけでダウンロード数が伸びることもあるので、「口コミの投稿でポイントプレゼント」など特典をつけて口コミ投稿を促しましょう。
まとめ
Webサイトを上位表示させるためにはSEO対策が必要なように、スマートフォン・アプリも上位表示させるためのASOが必要不可欠です。
SEO対策もASOも、実践してすぐに思うような結果がでないことがあります。
しかし、すぐに結果に反映されないとしても、やらないよりはやった方がダウンロード数アップにつながる可能性が高いのも事実です。
また、画像やキーワードを使うASO対策をすることは、ユーザーの目に止まりやすく自社のPR活動にもなるので、積極的に取り組んでいきましょう。
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