ネットマーケティングにおいて、スマホアプリは必須と言える存在になってきています。
スマホユーザーの多くは、1日に何回もスマートフォンをチェックするので、スマホアプリは企業とのタッチポイントとなる重要なツールです。
ただし、アプリはただリリースすれば良いというものではなく、マーケティングに活かせる機能やコンテンツを実装しなければなりません。
ここでは、アプリを開発するにはどれだけの時間がかかるのか、またアプリ開発の種類などを解説していきます。
アプリの開発には時間がかかる?アプリの開発順序
アプリをゼロから開発すると、早くて6ヵ月、仕様によってはそれ以上かかることもあります。
アプリ開発には多くの工程があるので、ゼロから開発を検討している方は開発順序を把握しておきましょう。
アプリの企画
まずは、アプリを導入することによって得たい効果や、解決したい課題を話し合いましょう。
「来店を誘導したい」「売上をアップしたい」「ニーズを把握して商品開発に役立てたい」など、詳細まで検討して企画を立てていきます。
アプリは、ただ多機能であればどんなソリューションも解決できる、というものではありません。
アプリ導入で本当に問題が解決できるのか、実装したい機能を使った際のシミュレーションすることも重要です。
うまくシミュレーションができない場合は、すでにリリースされている類似アプリのダウンロード数や評価などで状況をチェックしてみましょう。
アプリの要件定義を決める
要件定義というのは、実装する性能や機能を定め、システムの組立て方を決めることです。
アプリ開発の費用は要件によって異なるので、以下の3点を決めておきましょう。
・機能要件・・・どのような機能が必要なのか
・非機能要件・・・どのような機能が不要なのか
・業務要件・・・開発のために具体的にしなければならないことは何か
これらの要件をしっかり決めておけば、基本設計がスムーズに行えます。
逆に、漏れがあると設計や見積りの際に修正しなければならず、開発までに時間がかかってしまうので注意しましょう。
アプリの基本設計を決める
アプリの基本設計というのは、アプリの操作方法や構成、レイアウトのことです。
基本設計で重要なのは、企業側が求める販促効果やサービスと、ユーザーの使いやすさのバランスです。
ユーザーにとって使いづらい設計だとインストールにつながりませんし、企業がアピールしたいことが分かりづらいとマーケティングに活用できません。
ですので、バランス良く使いやすい設計を心がけましょう。
アプリの開発会社を選ぶ
要件定義や基本設計が決まったら、アプリの開発会社を選びます。
開発会社によって得意とするアプリが異なるので、自社が求める機能や性能の開発が得意な会社を選ぶのがベストです。
また、要件定義や基本設計を自社で決めるのが難しい場合、「希望するアプリを形にする」提案をしてくれる会社を選ぶようにしましょう。
会社によって開発工程は異なる
開発工程には2つの種類があります。
1つはシステムを細かく分けて個別に開発するアジャイル開発、もう1つは企画からテストまでの開発を順番に行うウォーターフォール開発です。
アジャイル開発はシステムを修正しながら開発できるので、要件定義を変更する可能性があるアプリにおすすめです。
ウォーターフォール開発は、すべての工程をスケジューリングして行うので、リリースまでのスケジュールを把握したいアプリに向いています。
開発工程によって向いているアプリが異なるので、開発会社を決める際にどちらの工程で開発するのかも確認しておきましょう。
開発会社に見積りを依頼・発注する
アプリの開発会社を絞り込んだら、要件定義をもとに費用の見積りを依頼します。
この段階で、費用だけでなく開発条件や期間なども確認し、双方が合意すれば契約・発注となります。
アプリの実装・単体テスト
開発がスタートしたら、アプリの実装・単体、複合テストを行います。
単体テストは、アプリの機能や性能が要件定義通りになっているかの検証で、複合テストは設計通りに稼働するかの検証です。
「希望する機能が実装されているか」「データ登録は正常に行われるか」など細かい部分までチェックして、不具合がないようにしましょう。
アプリの審査・公開
テストまで完了したら、アプリストアに申請をして審査をしてもらいます。
Google PlayとApple Storeで審査が完了すれば公開となりますが、審査は1~2週間ほどかかることもありますので、タイムラグがあることを覚えておきましょう。
ちなみに、申請には登録費用がかかるので、見積り時にこの費用が含まれているか確認してください。
関連ページ:店舗アプリ作成の流れは?作成のポイントを徹底解説!
アプリをリリースするまでにかかる時間
アプリをリリースするまでにかかる時間は、要件定義や基本設計、開発会社決定までにかかる時間と開発方法によってまったく違います。
そのため「○ヵ月でリリースできる」と明言することはできません。
ただし、開発方法だけで言えば、フルスクラッチ型は6ヵ月から1年、クラウド型なら1~3ヵ月となります。
開発中にトラブルが発生すればそれ以上の時間がかかりますし、ゲームなど複雑なコンテンツを搭載すると1年以上かかることも珍しくありません。
このように開発方法によって時間がまったく違ってくるので、どちらの方法が良いか事前に検討しておく必要があります。
アプリの開発方法には種類がある
アプリの開発方法は、大きく分けると「クラウド型」と「フルスクラッチ型」の2種類があります。
では、それぞれに開発方法は違いますし、メリット・デメリットも異なるのでチェックしておきましょう。
クラウド型
クラウド型は、すでに開発が完了している機能を組み合わせて、オリジナルのアプリを作成する方法です。
つまり、機能を一から開発する必要がないので、リリースまでの期間は最短で1ヵ月という短さで開発できるのが特徴です。
クラウド型で開発するメリット
クラウド型の最大のメリットは最短1ヵ月でリリースできることですが、以下のようなメリットもあります。
【1】 機能の開発が完了しているので低コスト
【2】 プラットフォームがOSのバージョンアップに対応している
【3】 クロスプラットフォーム対応なのでAndroidとiOS対応アプリを同時に開発できる
【4】 新機能を簡単に追加できる
クラウド型は開発会社がプラットフォームを運営しているので、リリース後の手間がかからないというのもメリットです。
クラウド型で開発するデメリット
クラウド型のデメリットは、以下の3つが挙げられます。
【1】用意されている機能しか実装できないので自由度が低い
【2】イメージするデザインがないことがある
【3】アプリのオリジナリティが出ない
クラウド型は、機能もデザインもテンプレートから選ぶので、オリジナリティが出にくいというのが一番のデメリットです。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、実装する機能をゼロから開発し、アプリを構築していく方法です。
つまり、フルオーダーメイドで開発するので、リリースまでは早くても6ヵ月はかかります。
特に時間がかかるのは実装で、ほとんどの場合3ヵ月以上を要すると言われています。
フルスクラッチ型で開発するメリット
開発期間が長いのはデメリットですが、それでもフルスクラッチ型には以下の3つのメリットが挙げられます。
【1】 オーダーメイドなので希望通りの機能が実装できる
【2】 追加要件にも柔軟に対応できる
【3】 保守運用を開発会社に依頼できるので安心
一番のメリットは、やはりどんな要件定義にも対応してもらえることでしょう。
ただし、要件が細かすぎてプロジェクトの難易度が高くなると、費用も高額になるため注意が必要です。
フルスクラッチ型で開発するデメリット
フルスクラッチ型は、開発に時間がかかること以外にも4つのデメリットが挙げられます。
【1】 高額な開発費用がかかる
【2】 エンジニアのスキルによっては希望通りのアプリにならない
【3】 OSがバージョンアップする度に追加依頼が必要
【4】 サポートやアップデートには追加料金がかかる
フルスクラッチ型は、とにかく費用が高いというのがデメリットです。
開発時だけでなく、リリース後の不具合修正や機能追加、サポートなどでもコストがかかるので、事前にどれぐらいの費用がかかるかチェックしておくのがベストです。
アプリ開発が長期化することのデメリットとは
アプリ開発が長期化すると、さまざまなデメリットが発生します。
中にはマーケティングに関わるデメリットもあるので、チェックしておきましょう。
コストが増加する
アプリの開発が長期化すると、コストが増加します。
契約前に見積りをもらっていたとしても、途中で機能を追加したり修正を加えたりすれば、その分追加料金が発生します。
また、開発期間が長くなれば、業務に携わるエンジニアの人件費もかかるので予算の見直しも必要になるかもしれません。
アプリの内容が時代に合わなくなる
アプリ導入の決定からリリースまでは、少なくとも6ヵ月ほどかかります。
そのため、開発前には半年先のトレンド予想もある程度必要になるのですが、開発が長引くと、いくら予想していても機能やデザインが時代のニーズに合わなくなる可能性があります。
ニーズに合わないアプリはダウンロード数が伸びにくく、マーケティングに役立たないというのもデメリットです。
マーケティング計画が立てられない
アプリの開発が長期化すると、マーケティング計画が立てられないのもデメリットです。
たとえば、新商品の発表や広告掲載をアプリのリリースに合わせていても、リリースが遅れればマーケティングにつながりません。
アプリをマーケティングにつなげられないのは、機会損失になるので注意しましょう。
アプリの開発時間を短くするには
アプリの開発が長期化すると、上記のようなデメリットがあります。
特に、「アプリの内容が時代に合わない」というのはダウンロード数や継続率に大きく関わってくるので注意しましょう。
では、どのようにすれば開発期間を短くできるのか解説していきます。
決定したことは変えない
要件定義で決定したことを変えると、システム構築をやり直すため開発に時間がかかってしまいます。
ですので、要件定義を決める段階で変更がないようにしましょう。
もし決定に不安があるなら、事前にアプリ開発サービスなど開発のプロがいる会社に相談するのがベストです。
機能を詰め込み過ぎない
機能を詰め込み過ぎると、その分開発が遅くなるのでできるだけそぎ落としましょう。
必要な機能は業種によって異なるので、一般的に「必要」とされているものでも実装しなくて良い場合があります。
基本設計の段階では、いろいろと機能を搭載したくなるかもしれませんが、開発前の段階で再度見直しをして「要・不要」を判断してください。
開発工程が少ない方法を選ぶ
期間を短くするには、開発工程が少ない方法を選ぶのが一番です。
アプリ開発は、ゼロから開発していくフルスクラッチ型と、目的に応じた機能を組み合わせてオリジナルアプリを作るクラウド型の2種類があります。
当然ですが、機能を開発する必要がないクラウド型の方が公開までの工程が少ないので、「短期間でアプリを公開したい」という場合はこちらを選ぶことをおすすめします。
関連ページ:実際にアプリを作る費用は?開発依頼やコストの費用について
まとめ
業種やカテゴリに関係なく、アプリは続々とリリースされています。
そのため、開発に時間がかかってしまうと競合企業に遅れをとってしまい、ダウンロード数が伸び悩むかもしれません。
また、一から開発をすると高額な費用もかかるので、売上や集客だけでなく費用分を回収するための施策も必要になるかもしれません。
アプリ制作サービスを利用すれば、開発期間も短くコストも抑えられます。
リリース後の運用に関するサポートも受けられるので、効率よくアプリをリリースしたい場合はアプリ制作サービスの利用を検討してみることをおすすめします。
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