アプリとWEBサイトの違いは?使い分けるポイントについても解説

現在、多くの企業が店舗アプリをはじめとするアプリを提供したりWEBサイトを開設したりしています。集客や販促ツールとしていずれも有効ですが、アプリとWEBサイトの違いがよくわからないという担当者もいるはずです。

アプリとWEBサイトの違いは、ターゲットユーザーや機能性などにあります。アプリは決済や予約など店頭での利用を手元で完結できるものが多く、WEBサイトは自社の情報提供やプロモーションが目的です。

このことから、アプリはリピーターに適しており、WEBサイトは新規顧客の獲得に向いている傾向にあるとわかります。さらに併用することで相乗効果も期待できます。

今回は、アプリとWEBサイトの違いやメリットとデメリットを解説したうえで、アプリとWEBサイトを使い分けるポイントや併用してできることを紹介します。

アプリとWEBサイトの違い

アプリとWEBサイトの違いは主に4つです。

 アプリWEBサイト
インストール必要不要
オフラインでの利用利用可能利用不可
機能性動的静的
ユーザーとの接点多い多くない

このようにアプリはインストールが必要ですが、オフラインでも使えてスムーズに操作できます。WEBサイトの閲覧にはオンライン環境が必要ですが、インストールは不要でWEB検索からの情報収集が容易です。

ですから、ユーザーとのコミュニケーションや接点を増やしたいときはアプリが有効だとわかります。WEBサイトはユーザーが求めている情報を提供する場所として活用しやすいです。

アプリを提供するメリット

パソコンセット ヘッドホン

企業がアプリをリリースするメリットは3つです。

ユーザーエクスペリエンスの向上

ユーザーエクスペリエンスの向上とは、ユーザーに快適な環境でサービスを受けられるようにすることです。アプリは端末内にデータを保存して閲覧できるようになっているため、ユーザーが求めるサービスをすぐに提供できます。そのため、スピーディーな操作が求められるシーンでの利用に向いています。WEBサイトは常にオンラインでデータのやりとりをしているため、操作に対する反応や読み込みに時間がかかることがあります。

オフラインでも使用できる

アプリはインターネット回線に接続していない状況でも使えます。オフラインでも利用できるのは大きなアドバンテージですが、機能によっては使えないものもあるため絶対的なメリットではありません。

マーケティング戦略に有効

アプリはマーケティングにおいても有効です。アプリで入手できるクーポンやキャンペーンを打ち出して実店舗への来店を促したり、SNSでアプリを宣伝して認知度を高めたりといったことができます。また、独自のアプリアイコンによるブランディングも可能です。

関連ページ:店舗アプリとは?導入のメリット、機能を解説【初心者向け】

アプリを提供するデメリット

企業がアプリを提供するデメリットは3つあります。

ダウンロードへのハードルが高い

アプリはユーザーに端末へインストールしてもらわなければなりません。ですが、ユーザーがアプリを新規にインストールするまでのハードルが高いことを覚えておくべきです。理由は2つあります。

● 端末の容量を消費する
● ユーザー自身の操作が必要

重要なのは、インストールにあたってユーザー自身が操作しなければならないことです。つまり、ユーザーがインストールしたくなるような動機や理由が求められます。アプリを提供するときはインストールするきっかけも用意しましょう。

多額の制作コストが必要な場合もある

アプリには制作コストがかかります。また、アプリ制作が売り上げに結びつく保証はありません。事前に保守や管理費用を見積もり、開発費用をどのように回収するかについても考えてください。なお、すでにある程度完成したパッケージ型(アプリ制作ツール)を活用することで、予算を抑えることは可能です。

関連ページ:実際にアプリを作る費用は?開発依頼やコストについて

更新やアップデートが必要

アプリをリリースしたあとも、定期的な更新やアップデートが必要です。こうした対応を怠るとユーザーはすぐにアプリを使わなくなります。従って、バグの修正や機能の強化など常にブラッシュアップしていく姿勢が求められます。

関連ページ:【店舗運営者向け】アプリは自社で開発すべき?基礎知識を解説

WEBサイトを開設するメリット

カラフルなアイコン

企業がWEBサイトを開設するメリットは3つです。

営業ツールとして使える

WEBサイトは営業ツールとして有効です。自社のWEBサイトで商品やサービスの情報をまとめたり業界の最新情報を発信したりすれば、営業用のパンフレットや資料の代わりになります。また、端末を問わずすぐに閲覧できるうえ、紙媒体にかかる印刷や管理コストも減らせます。

掲載できる情報が多い

WEBサイトは掲載できる情報が多く内容も自由です。自社の情報を伝えるときは、画像や動画などさまざまな手法が使えます。また、SNSのシェアリンクを設置しておけばユーザーの手でページが拡散されるため、認知度の向上も期待できます。

SEOでアクセスアップが狙える

SEOとは、Google検索において上位表示を狙う施策です。検索結果で上位表示できれば、ユーザーの目にとまりやすくなり集客につながります。そのためには、ユーザーにとって満足度の高いコンテンツを提供したり閲覧しやすいサイトを作ったりすることが求められます。

WEBサイトを開設するデメリット

企業がWEBサイトを開設するデメリットは3つです。

オフラインでは閲覧できない

WEBサイトはオフラインで閲覧できません。インターネット回線に接続している状況でのみ閲覧できるため、停電や通信障害があるときは閲覧しにくくなります。

成果をすぐには実感できない

当然ながらWEBサイトを運営するにもコストが必要であり、コストに応じた成果をすぐに実感することは難しいです。WEBサイトによる集客には時間がかかるため、長期的な目線と戦略が必要です。集客や売り上げアップなどの目標を達成するためには、ユーザーが求める情報を提供したりサイトデザインや構成を修正したりといった地道な努力が欠かせません。

プッシュ通知を利用できない

WEBサイトはプッシュ通知を利用できません。WEBサイトはユーザーに対して受け身の姿勢が前提です。ですから、ユーザーに繰り返し訪問してもらうための施策を考えましょう。これにはSEOやSNSとの連携、リスティング広告などの手法が使えます。

アプリとWEBサイトを使い分けるポイント

iPhoneを操作する男性

アプリとWEBサイトを使い分ければ、より多くのユーザーを獲得しやすくなります。以下に挙げる3つのポイントを意識して、アプリとWEBサイトを運用してください。

ターゲットユーザーの違いを把握する

アプリとWEBサイトでは、ターゲットとなるユーザーが異なります。アプリとWEBサイトのどちらに注力するかを決めるときは、自社がアプローチしたいターゲットを元に判断してください。

ツールターゲットユーザー
アプリリピーター向け
WEBサイト新規顧客向け

アプリとWEBサイトを使い分けて、それぞれのターゲットに合わせたアプローチもできます。WEBサイトを新規もしくは潜在顧客の入り口として開き、アプリへ誘導して囲い込むという流れです。

ユーザーニーズを見極める

ユーザーが求めるものによって、WEBサイトとアプリのどちらが適しているかがわかります。

WEBサイトが適しているのは主な顧客の年齢層が高いときです。また、詳細な情報提供や大きな画面での閲覧を想定しているときにも向いています。

アプリが適しているのは、自社の知名度が高くリピーターも多いときです。手元で繰り返しおこなう動作やスピーディーな応答が求められるシーンでも活用できます。

運用後のトラブルに備える

アプリやWEBサイトの運用後は、想定できるトラブルへの備えが必要です。こうした事態や状況がわかっていれば落ち着いて対応できます。

以下に、アプリとWEBサイトの運用で考えられるトラブルをまとめました。

ツール想定されるトラブル
アプリOSアップデートによる不具合
WEBサイト担当者が辞めたために運用に必要な情報がわからない

ユーザーがスマートフォンのOSをアップデートすると、アプリの起動や動作に不具合が起こることがあります。そのため、事前にアップデートのタイミングや頻度などを調べましょう。そうすることで、アプリが影響を受けると思われる部分を調べて対応できます。

また、WEBサイトの運用や管理に必要な情報は自社で管理しておくべきです。なぜなら、担当していたスタッフが辞めたときに、ログイン情報がわからなくなる可能性があるからです。管理や運用を外部の会社に委託しているときも同様のトラブルが想定できます。

関連ページ:Web集客にはどんな方法がある?来店につなげるコツは?

アプリとWEBサイトの併用でできること

パソコンを操作する女性

アプリとWEBサイトは、それぞれ目的を分けて併用できます。アプリとWEBサイトを併用して実現できるのは次の3つです。

● ユーザーの利便性の向上
● 顧客の情報収集と分析
● マルチデバイス対応の強化

ユーザーの利便性がアップすると、ユーザーと店舗のスムーズなやりとりが可能です。例えばECサイトなら、WEBサイトでカートに入れた商品をアプリから購入できます。ほかにも、データ連携によってログイン情報を共有できます。

また、ビジネスにおいて顧客のデータ分析は必須です。アプリとWEBサイトを併用すると、より詳細な情報が得られます。アプリからは顧客の利用履歴や位置情報などを取得でき、WEBサイトからは検索キーワードやクリック率などがわかります。マーケティングの施策や新たなキャンペーンを打ち出すときには、こうした情報を有効活用してください。

さらに、ユーザーが使用する端末に合わせてサービスを提供できる点も見逃せません。パソコンでWEBサイトから得た情報を元に、アプリで商品を購入したり視聴したりできます。ユーザーにとって、時間や場所を問わず好きなタイミングでサービスを利用できるのは大きなメリットです。

アプリとWEBサイトを併用すると効果的な業種

アプリとWEBサイトを併用すると効果的な業種の例をまとめました。

飲食店

飲食店では、アプリは店頭での利用をメインとして提供しています。そのため、アプリの機能は決済システムやポイントカードなどがメインです。WEBサイトではキャンペーンの告知やスタッフのブログなどを掲載しています。

関連ページ:飲食店アプリを開発するメリット・デメリットは?

アパレル

アパレルでは、アプリとWEBサイトをネットショッピングのために展開しています。ただし、より情報量が多いのはWEBサイトです。ユーザーにWEB検索からの流入が多いことと、パソコンやタブレットなど大きな画面で閲覧することを想定しているのが理由です。

宿泊施設

ホテルや旅館が提供するアプリの機能は、予約システムや部屋のリクエストなどです。また、予約後の問い合わせもアプリを通じてできるようにしています。WEBサイトでは、WEB検索から訪問したユーザーに向けたプロモーションがメインです。提供する料理や室内からの眺めのほか、観光客向けに周辺施設の情報を提供しています。

旅行代理店

旅行代理店のアプリとWEBサイトの目的は、旅行に関する予約をカバーすることです。例えば、アプリにはツアーやホテルの予約機能が搭載されています。WEBサイトではオンライン相談ができ、実店舗に近いサービスが受けられます。

まとめ

アプリとWEBサイトの違いは仕組みや機能性などです。アプリは決済やポイントカードといった店頭でのやりとりを手元で完結できます。WEBサイトは、自社のサービスやスタッフの情報を提供するのに適しています。

ですから、アプリとWEBサイトはターゲットユーザーに合わせて使い分けるべきです。始めにWEBサイトで新規顧客を獲得して、アプリへ誘導する流れを作ってください。また、WEBサイトとアプリのデータを連携させると、ユーザーと店舗の利便性が向上します。

アプリとWEBサイトを使い分けるときは、達成したい目標がどちらのユーザーに当てはまるかを考えましょう。また、運用後のトラブルに備えて回避する方法も検討する必要があります。

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