クーポン配布は顧客の獲得に有効ですが、やりすぎは利益率の低下やブランドイメージの毀損を招きます。顧客を囲い込み、お店の売上アップにつなげるには、いつ・誰に・どのようにしてクーポンを配布すればよいのでしょうか?
店舗が配布するクーポンの役割
集客・販促の施策に『クーポンの配布』があります。割引や無料プレゼントのクーポンというと、顧客だけが恩恵を受けるイメージがありますが、店舗がクーポンを配布するのには理由があります。
新規顧客、リピーターの獲得
多くの店舗では、顧客獲得のためにクーポンを配布しています。常連客はクーポンがなくても来店しますが、新規顧客はきっかけがないとなかなか足を運んでくれません。
お店選びで迷った際、大抵の人は価格を比較してよりお得な方を選びます。割引クーポンの役目は『お客様の選択を後押しすること』ともいえるでしょう。
『次回使えるクーポン』を配布すれば、リピーターの獲得につながります。クーポンに写真やメッセージを添えれば、クーポンが広告代わりになり、お客様の記憶に残りやすくなるでしょう。
集客に役立つデータを集められる
クーポンの利用状況からは、集客に必要な情報が得られます。
例えば、チラシ内容に関連したクーポンを配布することで、お客様がどれだけチラシに興味を持ってくれたかが分かるでしょう。反応がよかったクーポン、悪かったクーポンを分析すれば、売上につながるヒントが得られます。
飲食店や小売店にとって、クーポン配布は集客施策の一つです。やみくもにクーポンを配布しても客単価が下がるだけなので、費用対効果をしっかりと検証することが重要です。
クーポンを配布しないときの売上と比較したり、クーポンの利用率や1枚当たりの売上などを分析したりして、集客や売上への効果を測定しましょう。
クーポンを有効活用するには
既にクーポン施策を行っている店舗経営者の中には、『クーポンの効果が表れない』と悩む人も多いのではないでしょうか?
ターゲットや目的が曖昧なままクーポンを発行しても、思ったような効果は得られません。クーポンを有効活用するヒントを解説します。
ターゲット、目的を決める
クーポン配布は『ターゲット』と『目的』の選定が鍵です。商品・サービスへの興味の度合いは顧客ごとに異なります。
• 購入する意思が強い人
• 購入するか迷っている人
• 購入をやめようと思っている人
• 購入する気が全くない人
クーポンの大きな役割は、迷っているお客様の決断を後押しすることです。従って、最もクーポンを必要としているのは『購入するか迷っている人』といえます。クーポンの無駄なばらまきは控え、ターゲットにきちんと届く施策を考えましょう。
目的のないクーポン施策は、お店のブランドイメージを損なう上、『特典がなければお店に来ない顧客』を増やしかねません。安さだけがウリのお店にならないよう、クーポン配布の理由をきちんと伝えることも大切です。
• 開店〇周年記念のため
• 新商品のアピールのため
• 日頃の感謝を伝えるため
目的別クーポンの例
クーポンと一口に言っても、その内容はさまざまです。配布の目的やターゲットに合わせて内容を変える工夫をしましょう。
売上アップを目的とする場合は、割引クーポンに『〇円以上のお買い上げに限り』という文言を加えるのが効果的です。
集客数を増やしたい場合は、コストを考えながら『ノベルティプレゼント』『生ビール1杯サービス』といったプレゼント進呈のクーポンを配布しましょう。
認知度の向上を狙う場合は、『3個購入で1個無料』『50%OFF(上限〇円)』など、インパクトのあるクーポンを企画します。
なお、クーポンの内容を検討する際は『景品表示法の景品規制』に目を通すようにしてください。
参考:景品規制の概要|消費者庁
有効期限、注意書きを明記する
クーポンには『有効期限』を明記しましょう。有効期限なしのクーポンは顧客の来店を先延ばしにします。半年、1年…と時間が経過すれば、来店を後押しするという目的は果たされないままです。
有効期限の決め方としては、お客様に来てほしい頻度(来店周期)に合わせる方法があります。1カ月に1回なら1カ月、2~3カ月に1回なら2カ月を有効期限にするのが望ましいでしょう。
トラブル防止のため、クーポンには利用上の注意点を必ず明記します。以下は注意事項の一例です。
• 他のクーポン・特典との併用の可否
• 他人への譲渡の可否
• 利用できる回数
• 換金・返金対応
クーポンの種類は大きく二つ
クーポンには『紙媒体のクーポン』と『デジタルクーポン』の2種類があります。どちらがよいとは一概に言えませんが、利用者の年齢層やコスト面に若干の違いが見られるため、顧客のニーズや店舗の事情に合わせて選ぶようにしましょう。
紙媒体のクーポン
紙媒体のクーポンは、クーポン単体で配布されるものもあれば、チラシやハガキ、フリーペーパーなどに印刷されているものもあります。
クーポンを切り取る手間がかかりますが、紙媒体のクーポンの方が使い慣れているという人は少なくないようです。お客様の年齢層が高めの店舗では、デジタルクーポンよりも紙媒体のクーポンの方が好まれる傾向があります。
店舗にとって、紙媒体のクーポンは印刷コストがかさみます。デザイン→印刷→配布と事務作業が多いのもデメリットです。
デジタルクーポン
スマホでのキャッシュレス決済が一般的になりつつある中、紙媒体のクーポンからデジタルクーポンに移行する店舗が増えています。
スマホ画面を提示したり、QRコードを読み込んだりする手間がかかりますが、慣れてしまえばそれほど不便さは感じないようです。
店舗にとってのメリットは、印刷コストがかからず、Web上で簡単にクーポンが配信できることでしょう。SNSを活用すれば、より多くの人にクーポンが届けられます。
また、来店頻度や購買履歴などのデータ集計が簡単に行えるのもメリットです。取得したデータは次回の集客・販促活動に生かせます。
デジタルクーポンの配布方法
デジタルクーポンの配布方法は複数あります。クーポン配布を定期的に行っていく場合は、店舗独自のアプリを導入するか、店舗専用のSNSアカウントを作成しましょう。配布方法の種類とそれぞれの特徴を解説します。
クーポンサイトから
『クーポンサイト』とは、お得なクーポンの情報を集約したWebサイトのことです。無料のクーポンのみを掲載するサイトもあれば、『共同購入』という形で格安で販売するサイトもあります。
大手のクーポンサイトに情報を掲載することで、認知度の向上や集客率アップが期待できます。ただし、サイトには魅力的なクーポンが多数掲載されているため、必ずしも自社のクーポンが選ばれるとは限りません。
店舗独自のアプリ、アカウントから
店舗アプリやSNSのアカウントからクーポンを配布する方法もあります。例えば、LINEの公式アカウントは、友だち追加したユーザーにクーポンが配信できる『クーポン機能』を備えています。データによる効果測定が可能なため、結果にコミットしたクーポン施策ができるでしょう。
『店舗アプリ』とは、飲食店や小売店、美容室などの店舗が集客・販促を目的に導入するスマホアプリで、お客様がスマホにアプリをダウンロードすることで機能します。
大抵の店舗アプリには『クーポン機能』が標準搭載されており、有効期限や利用回数を設定して自由にクーポン配布が行えるのが特徴です。
店舗アプリを導入すると、お客様との新たなつながりが生まれます。コミュニケーション手段として活用できるのはもちろん、顧客情報を取得してマーケティングに生かしたり、有益な情報を積極的に発信して来店を促したりすることも可能です。
リピーターには店舗アプリで配布
店舗アプリは新規顧客の集客よりも、既存顧客の囲い込みに適したツールです。一度来店したお客様がアプリをダウンロードしてくれれば、店舗から積極的にアプローチができます。アプリメンバーズを例に挙げ、店舗アプリの効果的な使い方を紹介します。
パーソナライズできる
アプリメンバーズの店舗アプリは、クーポンの表示期間や使用回数が自由に選べるだけでなく、クーポンの『パーソナライズ』が可能です。
パーソナライズとは、顧客全員に同じアプローチをするのではなく、個々の行動特性や嗜好に合った情報やサービスを提供するマーケティング手法を指します。
誕生日や性別などで特定の会員を抽出し、その人にぴったりのクーポンを送れば、相手は特別感を覚えるでしょう。特に『誕生日の特別クーポン』は、休眠顧客の掘り起こしに有効です。
時期を見計らってプッシュ通知
アプリメンバーズの店舗アプリには『プッシュ通知』という機能があります。アプリが新着情報を自動的にお知らせする機能で、アプリを立ち上げていないときでも画面にメッセージが表示されるのが特徴です。
プッシュ通知はメルマガよりも開封率が高い上に、お店の存在を常に身近に感じてもらえるのがメリットです。ただし、自分にとって有益でないと判断されると、アンインストールされてしまうため、『〇〇様限定』『数量限定』といったようにクーポンで特別感をアピールしましょう。
通知をするタイミングや頻度は、来店するお客様の属性から判断します。たとえお得な情報でも頻度が多すぎるとうっとうしくなり、通知を拒否されてしまいます。
オリジナルクーポンでお客様のハートをつかむ
クーポン配布は、新規顧客やリピーターの獲得に効果的です。商品の購入やサービスの利用を迷っている人を後押ししたり、来店のきっかけを作ったりとクーポン施策はお店にとって欠かせません。
一方でやみくもにクーポンを発行すれば、安さだけがウリのお店になってしまいます。どのような人に来てほしいかを明確にイメージした上で、お客様のハートをつかむクーポンを作りましょう。
アプリメンバーズでは、クーポン機能をはじめとする多彩な機能を搭載した店舗アプリを作成しています。詳しい資料は以下をチェックしましょう。