「SNSで発信しても、反応はEC側に集まりやすい印象がありました。
そこで、店舗に足を運んでくださるお客様へ、店舗の情報をきちんと届けられる手段を持ちたいと考えていました。」
—株式会社テクニカン 大橋 様
導入前の課題
・SNSは広く届く一方、反応はEC寄りに偏りやすかった
・店舗イベントやお得情報を「来店客だけ」に確実に届ける手段がなかった
・少人数体制でも、無理なく続けられる運用が求められていた
よく使う機能
・プッシュ通知(全会員への店舗情報配信)
・QRコードを使ったポイント付与/ポイント交換(割引)
・会員属性(性別・年齢)などの簡易分析
導入後の結果
・毎月30〜40名ペースで新規会員が増え、会員基盤が着実に積み上がった
・アプリ通知をきっかけにした来店の反応が増えてきた
・毎月の定例イベントにより、“来店の習慣化”が進んだ
「凍眠」から広がる、“冷凍の体験”を届ける株式会社テクニカン

株式会社テクニカンは、液体急速冷凍機「凍眠(とうみん)」を軸に、冷凍技術の価値を広げてきた企業です。
「凍眠」凍結だから実現できた、今までになかった美味しい冷凍食品。
そのおいしさを1人でも多くの皆様に知っていただきたいとの思いから冷凍食品専門店「TŌMIN FROZEN」をオープンしました。
凍眠で冷凍した商品を中心に、空気ではなく冷たい液体で一気に冷凍する独自の技術を採用しています。この技術により、冷凍でありながら、鮮度やおいしさを損なわずに楽しめる食品を、店頭とECの両方で届けています。
今回は、店舗に来てくださるお客様へ、どのように情報を届けていくか。アプリ導入の背景から、会員獲得を積み上げる店頭運用、そして「毎月来る理由」をつくる定例施策まで、お話を伺いました。
・お話をお伺いした人
株式会社テクニカン
TŌMIN FROZEN 仲町台店
食品販売企画課 課長 大橋 秀明 様
「店舗の情報だけ」を届けたい。SNSでは埋もれてしまう実店舗の課題

画像出典:TŌMIN FROZEN 公式Instagram
店舗運営のなかで、ずっと引っかかっていたのは、情報発信の“届き先”がズレてしまうことでした。
結果として、試食会やイベント、期間限定の企画も、知ってもらう前に終わってしまう。
そんなもどかしさがありました。
「店舗に来てくださるお客様へ、店舗の情報を的確に届けられる手段が欲しいと考えていました。」(大橋 様)
店舗の来店客と、ECの購買層は、必ずしも同じではありません。
だからこそ必要だったのは、「店舗に来る人に、店舗の案内を届ける」ための仕組みでした。
来店の“きっかけ”を逃さない。プッシュ通知で、イベント情報を「今日の予定」に変える

TŌMIN FROZENでは、試食・試飲会や値引き企画など、店頭で体験できる催しを継続的に用意しています。
こうした施策は、存在を知ってもらえれば来店につながりやすい反面、告知のタイミングが遅れると機会損失になりやすい領域です。
手応えについて大橋様は、来店の動きが変わってきた実感をこう話します。
「試食・試飲会や値引き企画など“店舗でやっていること”をアプリでお知らせすると、『行ってみよう』という来店のきっかけになっている実感があります。」(大橋 様)
“店舗で何が起きているか”を、ちょうどいいタイミングで伝える。
それだけで、来店へのハードルは、ぐっと下がっていきました。
導入の決め手は、「できること」より「迷わず回せること」

複数の機能があっても、日々の運用が重くなると定着しません。
とくに店舗運営は、忙しい時間帯ほど「誰でも同じように扱える」ことが重要になります。
アプリを選ぶ際に重視したポイントについて、大橋様は次のように語ります。
「現場スタッフが無理なく操作できることが、一番の決め手でした。」(大橋 様)
“できること”よりも、“回せること”。
この判断が、アプリ運用を特別な業務にせず、日常の一部として定着させる土台になっていきました。
毎月30〜40人が積み上がる。店頭での案内が「会員化」を日常にする
会員施策は、単発のキャンペーンで一気に増やすよりも、毎月、淡々と増え続ける状態をつくることが強い。
TŌMIN FROZENでは、店頭での案内を軸に、新規登録が継続的に積み上がっています。
現状の積み上がりについて大橋様は、手応えをこう表現します。
「毎月30〜40名ほど、新規登録が着実に増えています。少なく見積もってもそのくらいのペースで、皆さんに活用いただけていると感じます。」(大橋 様)
店頭では、スタッフがダウンロードを手伝う運用や、案内用のチラシ配布、必要に応じたフォロー対応なども行い、「その場で完了しない人」を取りこぼさない工夫を重ねています。
「トーミンの日(毎月13日)」で、来店の理由を定例化する
会員施策は、単発のキャンペーンで一気に増やすよりも、毎月、淡々と増え続ける状態をつくることが重要です。
TŌMIN FROZENでは、毎月13日を「トーミンの日」として打ち出し、来店のきっかけをつくってきました。
この定例施策の効き方について、大橋様は次のように話します。
「毎月13日を“トーミンの日”として続けてきたことで、その日に合わせて来店してくださる方が増えてきました。」(大橋 様)
“思い出す日”をつくることで、検討中だった商品も「その日に買おう」に変わりやすくなります。店舗運営における再来店導線の核になっていました。
会員分析は、次の打ち手を迷わせないための材料
施策を回していくほど、「どんなお客様が多いのか」を把握する重要性が増してきます。経験値だけで判断すると、改善が属人的になりやすいからです。
分析の価値について大橋様は、分かりやすさを含めてこう語ります。
「性別や年齢など、どんなお客様が来店されているかがシンプルに見えて、とても分かりやすいですね。」(大橋 様)
見える化されることで、売場づくりや告知内容の見直しが“説明できる判断”になっていきます。
プッシュ通知は「10時」が一つの答え。来店の波に合わせて届ける
プッシュ通知は、内容だけでなく、送る時間によって反応が変わります。
TŌMIN FROZENでは、試行錯誤の末に、午前帯が最も手応えが良いと感じているそうです。
運用のコツを大橋様は、具体的な時間で示します。
「配信時間はいろいろ試しましたが、今は10時頃に送るのが一番見られやすいと感じています。」(大橋 様)
「今日、何かやっているなら行ってみよう」が起きる時間帯に寄せることで、通知が“ただのお知らせ”ではなく、来店行動の後押しになっていきます。
ポイントは「貯める→使う」が回る設計に。高単価店舗ほど効く“割引交換”
アプリは「来店ポイント」を軸に運用されています。会員証のQRコードを提示してポイントを付与し、一定ポイントに達すると割引と交換できる仕組みです。
「当店は客単価が高く、還元率も比較的高いので、ポイントを貯めてお得にお買い物をする方が多くいます。」(大橋 様)
貯まるだけで終わらない。“使って得をする”ところまで体験できる。
その分かりやすさが、継続利用につながっていました。
次のテーマはクーポン。イベントや福引きの“渡し方”をアプリに寄せたい
運用が回り始めると、次に出てくるのは「もっとこう使いたい」という発想です。
TŌMIN FROZENでも、クーポン活用には伸びしろがあると捉えていました。
現状と今後について大橋様は、率直にこう話します。
「クーポン機能は、まだ活用しきれていないと感じています。今後はイベントや福引きの“値引き券の渡し方”も含めて、設計していきたいです。」(大橋 様)
店頭イベントの盛り上がりを、その場限りにせず次回の来店へつなげる。
その“渡し方”をアプリに寄せていくことで、施策の回り方がさらに整っていきます。
少人数でも伸ばすために。効率化と売上成長を同時に進める
店舗運営は、売上が伸びるほど人手が必要になりがちです。
一方で、体制には限りがあります。TŌMIN FROZENでは、業務の効率化も重要なテーマとして運用を組み立てています。
考え方について大橋様は、次のように語ります。
「売上は伸ばしつつ、業務は効率化していきたい。アプリ運用もその一部として、必要最低限の人件費で回せる形にしたいと考えています。」(大橋 様)
会社全体でも10名に満たない体制のなかで、少人数でも伝えたいことは、ちゃんと伝える。
アプリを運用の土台として整えていくことで、その両立が、現実的なものになってきました。
まとめ
株式会社テクニカンが運営するTŌMIN FROZENの取り組みは、冷凍技術の価値を“体験”として届けるだけでなく、店舗運営における「伝える」「思い出してもらう」「また来てもらう」を仕組みで回していく挑戦でもあります。
店舗来店客へ「店舗の情報だけ」を届ける設計、毎月の会員獲得を積み上げる店頭運用、そして「トーミンの日」のように来店理由を定例化する工夫。少人数でも回る運用を整えながら、次の打ち手へ進める基盤ができつつあります。
TŌMIN FROZEN
(トーミン・フローズン)
【企業情報】
・企業名
株式会社テクニカン
・所在地(本社)
〒224-0037 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎南3丁目1-16
・事業内容
液体急速冷凍機「凍眠(とうみん)」を中心に、食品用冷凍機器の開発・製造を手がける。冷凍技術の価値を体験として届ける場として、冷凍食品専門店「TŌMIN FROZEN」を展開。
・公式サイト
https://technican.co.jp/





